お問い合わせはコチラ

子育て科学アクシスブログ


集団営巣

皆さんこんにちは。成田です。

 
ある5月の朝、バス停までの道を歩いていると、「げげっぎゅえっぎゅえっ」というような異様な声が聞こえてくる。

周囲を見渡すと、某研究所の庭の高~い松の木のてっぺんに巨大な鳥がっ!

 
 
そう、サギです。集団営巣です。

ずっと遠くの川べりの人が近寄れない場所での集団営巣は何度かみかけたのですが、こんな近くで!と大興奮。

ゴイサギとアオサギの混成隊で、一つの木のてっぺんに1個ないし2個の巣が作られて、夜も昼も朝も熱波のときも大雨のときもこうやってじっと守っている。涙ぐましい姿です。(写真がへたなのですが、てっぺんの白いのが親鳥たちです)

 
 
それから毎朝毎夕、通勤に急ぐ皆様をしり目に、いきなり立ち止まり真上を向いてスマホをかざす、かなり怪しい観察者となって活動しております。

最近は幼鳥もだいぶ大きくなって巣から顔を出しているのが見えるようになりました。

 
 
こんな状況なので、当然私も「集団営巣 サギ」とかってググってみたりするわけです。

そしたら、こんな検索結果がトップに出てきました。

「サギの大規模コロニー頭抱える地元住民」

「サギ類のコロニーによる生活被害について」

いわく、あの「ぎゅえっ」という声がうるさい、洗濯物が糞で汚れる、田んぼが荒らされる・・・・などなど、ネガキャンが一斉に上がってきました。

 
なるほどな~と思いました。

もちろん、下の方にはサギたちを温かい目で見守って観察する自然保護のグループのページとかもあるのですが、一番トップに出てくる、つまり「声が大きい」「世の中の大勢を占めている」のがこういう意見なんだ、と思わされやすい構造になってます。

 
私みたいな気の短くおっちょこちょいな人間は、検索したとき、どうしても一番上の何個かを見て「わかった!」ような気になりがちです。

今回のサギの件は、もともと私に十分な知識があって、さらに野鳥保護についての確固たる意見があるので、全くぶれませんでしたが、これがナイーブな若者や子どもたちであるなら、「え~~、サギって嫌な鳥~~。いなくなればいいのに~。」なんて印象になっちゃいますよね。

最近の日本では例えば誰々さんの不倫、とかいうテーマが必要以上に執拗に取り沙汰され過ぎる気がしていたのですが、そのからくりがちょっとわかった気になりました。

検索サイトの一番上にくる仕掛けはAIの仕業なのか!?

私には知る由もありませんが、とにかくこれは、結構恐ろしいことのような気だけはします。

皆さんはどんな考えをお持ちでしょうか。

私は今まで以上にグーグル先生をまるっと信じるのを辞めようと固く決意するとともに、巣立ちの日まであと少し、サギの集団営巣を温かく怪しく見守っていきたいと思っている次第です!!

 
成田 奈緒子