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子育て科学アクシスブログ


振り込め詐欺の根源とは

こんにちは。成田です。

初夏、というには暑すぎる6月のスタートですが、皆様いかがお過ごしですか?

 
先日、たまたまついてたTVで振り込め詐欺の実態と予防策について、の番組をやっていました。

最近は巧妙になってきていて、個人情報を詳しく入手した上で電話をかけてくるので、本当に気を付けなければつい騙されてしまう、ということです。

 
で、実際に被害にあわれた方が出演なさっていたのですが、その再現ビデオを見ているうちに、私と娘は顔を見合わせて「・・・・・・・・?」と思ってしまいました。

その方は息子さんを名乗る男から電話をもらい(最初はただ電話しただけで信用させて、二回目でお金を請求したらしいです)、「仕事でお客さんの口座に損を発生させてしまって、今日中に80万円補てんしなければ、大変なことになってしまう」と言われたそうです。

 
それを聞いた親御さんは、疑いもせずに急いで言われた口座に80万円振り込んだそうなのです。

でも、私たちが?となったのは、「その時の心境は?」と聞かれたご両親がそろって、「せっかく副支店長になるまで一生懸命頑張ってきた息子が、こんなことで支店長の座につけなくなったらかわいそうだと思って・・・もう無我夢中で・・」と発言されたときです。

 
私「え??この息子って銀行の副支店長?じゃ、もう40代くらいってこと?!そんな一人前の息子に、「仕事、ミスしちゃったの?かわいそう!」って説教もせずに80万円もぽんと出すの?・・・!!」

娘「うわ~、ありえない!そもそも自分のミスなのに、息子がなんで親に電話するわけ?そんなの私だったらありえないし、電話したとしても「で?」ってお母さんに言われて終わりそう・・・」

 
ほんとほんと。もし娘を騙る悪人から上記の電話がかかってきて私がそやつを娘だと思い込んだら、きっと大変です。

「あのね、あなたは立派に社会に出た人間です。そういう人間になれるよう育てたのは私です。まず、ミスを最大限減らせるように物事の重要度を見極め、トッププライオリティの案件には細心の注意を払ってミスが起こらないようにすることができる人間になっていたはずです。それでもミスをしてしまったからには、自分の全力、全責任を使って、お客様にご迷惑がかからぬよう最短時間で回収することまでが社会人の務めでしょう。なぜそんな大事な時間を使って、私のところに電話なんかしてきているの?まさか私に尻拭いをさせるなんては思ってないよね?そんなことくらい、わかっているはずです。

えっ?支店長になれない?何をいっているのですか、そもそもそうやってリスクを回避するための準備を怠らないこと、そしてミスを起こしても被害を最小限、最短で回復させることができないなら、あなたには支店長になる資格なんて、初めからないということですよね・・・・」

・・・・あ~説教が止まらないでしょうねえ(笑)。ちょっとおもしろそうです。

 
以前から、欧米ではあまり聞いたことないよな、振り込め詐欺って、って思ってたのですが、なるほど、良くわかりました。極めて日本的な親子の共依存関係が根源として存在していないと、そもそも振り込め詐欺は成立しないのだな、と。

 
いつもいつもアクシスでは、「全力で子どもを信頼すること」こそが子どもを育てることの最終目標であるとお伝えしています。子どもの行動はリスクを孕み、それを看過するとミスにつながる、それが見えたとしても、命にかかわらなければ親は「信じて、待つ、見守る」ことをし続けなければならないのです。

これはとてもエネルギーがいることなのですが、それをどんどん実行に移して素晴らしい成果を得ている会員様もアクシスにはたくさんいらっしゃって、先日もそんなご報告をいただき、私たちも大変嬉しくなりました。

 
「かわいそうだから」「心配だから」とすべて親が手だしをしてしまうと、自分でリスクを回避する能力を付ける時期を逸してしまいます。そういう子どもたちは、社会に出てからもミスの尻拭いを親に押し付けることをいとわず、そして親はそれを甘んじて受け止めるという共依存関係に陥ってしまい、そして最終的には振り込め詐欺の被害にあいやすくなってしまうのかもしれませんね。

 
成田奈緒子