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子育て科学アクシスブログ


怪談の話

夏を涼しく過ごそうと思っていたら、レンタル屋さんに怪談師のDVDが大量にありました。。

というわけで大量に借りて、古今東西の怪談を聞いて過ごした上岡です。

 
稲川淳二大先生をはじめ、多くの怪談を聞いて感じたことは、怖がらせようと語るより、淡々と話ってくれたほうが怖い、というものです。

聞き手が行間を補ってしまうのですよね。そうなると、自分は「自分が何を怖いか」を知っているので、恐怖を装飾してしまのです。

というわけで、私の怖かった体験を淡々と。

 
小学2年生の夏のことです。

父と母が夕方から近所の集まりに出かけ、家には2つ上の兄と私という、こども2人で留守番をしていました。

当然、家でプロレスごっこなどして暴れるわけですが、私が技をかけられたとき、普段は目にしない、部屋の壁と箪笥の隙間に視線を移しました。そこには男性の顔がありました。

正確に言えば、その隙間に、折りたたまれた紙のバックがあり、そこに埃が溜まり、その埃が男性の顔のように見えたわけです。

私は、見なかったことにしました。ところ運悪く、兄もその紙バックを見てしまいました。

急にプロレスをやめて、漫画を読み始めた私に兄が「おい、この紙バック見ろよ」と話しかけてきました。私は「見ない」と言いました。「ちょっと見ろよ」「見ない」「なんでだよ、見ろよ」「見ない」となり、本当のプロレスになりました。

今思えば、あれは不安の落としどころのさぐりあいでした。兄はその恐怖を「私」と共有して薄めようとしたのでしょう。私はまだまだ子どもだったので、「兄」だけでは薄められる自信がなく、父母の帰宅を待ちたかったのです。結局、父母帰宅後、怖かった気持ちや喧嘩した気持ちで泣きながら話してすっきりしました。

 
大学3年生の夏のことです。

テスト明けにテンションがあがり、「大学生、そして夏とくれば!」と友人3人と川に出かけました。勢いだけで出かけたので、スリッパもなにも用意せず、裸足で川に入っていきました。川の水が冷たくてとても気持ち良かったことを覚えています。

浅めだったのでどんどん川へ入っていく私。岸にいる友達からは離れていきました。と、急に一歩も動けなくなりました。脚を掴まれたのです。

正確に言えば、急に流れの速い場所に入り込んでしまい、歩くために重心をどちらかに移動させたらすぐに体ごと流されるような状態になったのです。助けを呼びましたが、岸から離れておりSOSは届きません。なんとか一歩分、その一歩分だけ戻れれば、緩やかな流れの場所に戻れる。私が考えたあげく、両足で出来るだけ高くジャンプし川面から抜け出、そして一歩分戻った場所に着地したのでした。

バシャバシャ音を立てながら岸に戻った私は、小2の頃とは異なり、父母じゃなくても、そこにいる友人たちに事の顛末を吐き出し、落ち着けました。

霊感ないので。まったく霊的な体験でないのですが、怖かった体験です。で、話すことで薄められた体験です。

 
上岡