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タメになる読み物

なぜ?がなるほど!に変わる本 ― 知ればなかよし発達障害のお友達


第5回「だけど平気じゃない」

脳の働きが違っていると、周りの多くの人と違った反応をすることが見られます。前回の例にあったように飼っていた大切な犬が死んでしまっても「泣けない」こともありますし、時には悪口を言われて怒っていたり悔しかったりするはずなのに、笑っていたりすることさえあります。

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でも、決してそれが「犬が死んでも平気な冷酷な人」というわけでも、「悪口を言われても平気な鈍感な人」ということではないことを覚えておいてください。うまく脳が指令をしてくれないので、「悲しい」と泣いたり「いやだ、やめてくれ」と言葉を出したり怒った顔を見せられないからなのです。だから、どうしても耐えられなくなってしまったときには、言葉や表情を出す代わりに暴力をふるってしまうこともあります。

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また、刺激を出すばかりではなく「こんなことをしたら(言ったら)、みんなはどんな風に思うかな?」と考えて、行動を止めることも脳の判断、指令のひとつですが、その部分の脳の働きが違っていると、思ったことをそのまま言葉にしてしまったり、夢中になってしまうことがあると、他の人のことや今の状況を判断することをすっかり忘れて刺激が出っぱなしになってしまうこともあります。

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友達が作ってくれたお菓子を「おいしくない」と言ってしまったり、授業中に先生が「ワールドカップが来年、開かれます。」とひとこと言ったのを聞いて(入ってきた刺激)、授業中なのもすっかり忘れて(脳の判断の違い)、ワールドカップに出場する大好きな選手の話を大きな声でえんえんと話し続けてしまったりする(刺激を出し続ける)ようなことがあるのです。

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