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タメになる読み物

なぜ?がなるほど!に変わる本 ― 知ればなかよし発達障害のお友達


第3回「辛いカレーを食べられない」

前回は、脳の働き方は一人ひとり働き方が違うので、同じ気温でも暑いと感じる人も、寒いと感じる人もいる、ということをお話ししました。

でも、これよりももっと「個人差」があって当たり前のこともたくさんありますよね。たとえば同じ歌手の歌を聴いたときに「とても好きだ」と思う人と「あんまり好きじゃないなあ」と思う人がいます。また、同じ辛さのカレーを食べたときに「結構辛い」と思う人と「そんなに辛くない」と思う人がいます。

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これは、耳で聞いた音や舌で味わった味という「入ってきた刺激」を脳でどう感じ、どういう指令を出すかが人によって違うからです。この違いによって感じ方という「刺激の出方」が違うのです。これが脳の働き方の個人差なのです。

でも、個人差があったとしても大体の人は、「あんまり好きじゃない」歌でも聴くことはできるし、「結構辛い」カレーでも食べることはできます。

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ところが、中にはどうしてもこういったことに耐えられない人もいるのです。たとえばその歌手の歌が歌ではなくただの騒音にしか聞こえなくて、辛くてその場から逃げ出したくなってしまったり、カレーの味がものすごく気持ち悪く感じられて、口に入れると吐いてしまったり、といったことが起こってしまう人たちです。個人差、というにはとても大きすぎる「脳の働き方の違い」を持っている人たちなのです。

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これは、入る刺激(辛い!)が脳に入ったときに、「でも食べられる」という指令がどうしても出せずに「食べられない!」と脳が指令を出してしまうからです。だから、出る刺激(気持ち悪い!)が他の人とはどうしても違ってしまうのです。

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これは自分の力でどうにかなるものではありません。生まれたときから指令の出し方がところどころ大きく違う性質の脳を持っているからです。