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子育て科学アクシスブログ


どうにもこうにも寝てしまう話

上岡です。
母に言わせると、「お前は本当によく寝る子だった。兄ちゃんに比べすぐ寝てくれるからまったく手がかからんかった」とのことです。
小学時代も、大晦日がくるたびに、「今年こそは夜更しして除夜の鐘を聞くんだがや」と誓うのですが、結局は寝てしまい、元旦なのに日常の目覚めを迎える、そんな子でした。
当時、布団に持ち込める携帯ゲーム機の誘惑もなく、深夜ラジオにも興味を持たなかったので、暗い中起きていても1階にあるトイレに行くことが怖くなるだけでした。
当然、すくすくと育っていったのですが、そんな私も夜更かしするようになったのは、高校時代の勉強でした。
学校のテスト範囲や課目は今思えば、「もはや人間の容量を超えていたのでは!?」と思うくらいで、ただただ必死に頭に叩き込む時間が必要でした。
その時期が過ぎ、基本、また良く寝る子になったのですが、良く寝るこの体質で1つ残念なことがあります。
睡眠時間をどんなにとっていても人口密度の高い場所では眠くなることです。
大学時代の授業では、どんなに興味のある内容の講義であっても、大勢学生がいる教室だと寝ました。盛況な映画館も同様。聞きたいのに、見たいのに、寝てしまうのです。兆候は開始前からわかります。「今日も眠ってしまうだろうなー」と感じます。そして、間30分は必ず寝てしまうのです。
お世話になっている方がいる劇団から無料のチケットをいただき、お芝居を見に行ったときも寝てしまいました。終了後、芝居の感想を聞かれ「まだ言葉にできないですね~」と答えました。そして深く反省しました。
今までで一番してはいけない居眠りは、大学時代にお世話になる教育実習先の小学校に、同期5人で挨拶に行ったときです。校長先生を前にして寝てしまいました。少し小さめの応接室に同期5人と先生方5名。帰宅時、「校長先生の目の前で寝ているお前を見て、『終わった』と思ったよ」と同期に淋しく言われました。笑い話でもなんでもなく、失礼極まりない話で、それ以来、密度の高い部屋に入る前に、ガムを口に含みこっそり噛み続けたり、顔を洗ってから入室するなど抗いました。それでも寝ます。眠くなるたびにグッと目に力を入れることもしていましたが、はたから見ると「とても真剣に話を聞いている人」にみられるようで「君、とてもまじめに話を聞いてくれているね。この問題、どう思う?」とやたら当てられました。
そして何度も思いました。
「動くことが許されたらいいのになー」と。
眠くなるから寝てしまえ、という本能のままに生きていたわけでは無く、抵抗をしていたのです。その場を離れて立ち上がり深呼吸をする、そんなことが許されるなら、やります。それは私にとって、真剣に話を聞きたい姿勢なのです。でも世の中的には「失礼」にあたっちゃいます。
眠くならないよう、離席しないようそわそわし、結果「落ち着きがない」と見られちゃう子どもたちの話を聞くたびに、その頑張りを応援したくなるのです。
今も眠くなります。講義を聞く時など大勢の人が集まるところでは必ず隅に座ります。密度が低い空間を近くにもっておきたいからです。そのために随分早めに講義会場に行きます。隅がとれなったら基本寝てしまうからです。隅がとれなかったとき「一番前の席は空きがちだ!あそこは密度が低いぞ!」とまるで大発見をした気持ちになり、座ったことがありましたが、講師を照らす照明のライトで体がポカポカして寝てしまい、30分後に起きた時に、まるで「いつも顔を下に向くその姿勢で話をしっかり聞いている人」を装おおうと、残りの1時間もその姿勢でいたことがあります。講演する側になり、そんな行為は徒労であることがよくわかりました。
前から見ると、寝ている事はすぐわかります。起きながらも30分間、微動だにしない姿勢の人なんて……めちゃくちゃ目立ちます(笑)。

 
上岡