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タメになる読み物

なぜ?がなるほど!に変わる本 ― 知ればなかよし発達障害のお友達


第4回「犬が死んでも泣けない」

前回の話で、脳の働き方の違いが大きい部分を持つ人たちは、たくさんの人が楽しいと感じたりおいしいと感じたりすることを同じようには感じられないことがあるのはわかってくれたのではないか、と思います。
 
でも、本当に困ってしまう「脳の働き方の違い」は歌やカレーだけではないのです。以前も書いたように、脳はありとあらゆる人間の体の働きに指令を出し続けています。なかでも一番人間らしくて高度な働きであるとされるのは、他の人の気持ちを感じたり、思いやったり、理解することや、計算や図形の問題がとても素早く解けること、難しい文章題が解けたりすることです。

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脳にところどころ働き方の違う部分を持つ人は、これらの働きにアンバランスなところがあって、たとえば勉強の部分はうまく指令が行き届くので授業中は大天才なのに、休み時間のおしゃべりになるとみんなと違うことばかり言ってしまう、なんてことも多くあります。彼らは、特に学校でたくさんの友達と一緒に行動するときに、うまく話が合わなかったり、うまく理解できなくてとても苦痛に感じており、「困った」と思っていることが多いのです。
 
では、この脳の働き方の違いは、実際の学校や生活ではどのようにみえてくるのかを、次に例をいろいろとあげて説明してみましょう。これらのすべてが一人の人に全部みられるわけではなく、いろいろな部分を重ねて持っていたり、逆にある部分だけ強く出ていたりといった、人によるばらつきはあります。それだけに、一見普通に見えて学校の勉強も出来る人が、特別な場面でだけ「変わった人」のように見えることもあるのです。
 

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たとえば、飼っていた犬が死んでしまったとします。かわいがっていた犬だったら君たちはとても悲しくて、声を上げて泣いたりするでしょう。これは、犬が死んだ(入る刺激)→悲しいから泣こう(脳の判断・指令)→「涙を出す」「声を出す」という行動(出る刺激)というように脳の高度な働きが働いているからです。でも、脳の働きが違っている人だとどうなるでしょう。たとえば悲しい、という判断はちゃんと起こっているのですが、それを表す、表現するという指令(出る刺激)が「その場に合わせて」出せない脳だと、涙や声が出てきません。だから、こういう人は君たちから見ると、本当に悲しいのかどうかとてもわかりにくいのです。
 

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