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タメになる読み物

なぜ?がなるほど!に変わる本 ― 知ればなかよし発達障害のお友達


第0回「まえがき」

こんにちは。この本を手にとってくださり、ありがとうございます。
 
ぱらぱらとめくってくださればおわかりのように、この本は、イラストがふんだんにちりばめてあります。
できることならば、この本をぜひ小学校高学年から中学生の子ども達に読んで欲しいと思っているからです。
 
発達障害、という言葉が広く知られるようになってきました。
私は、小児科医であると同時に特別支援教育に携わる教育学部の教員でもあり、また茨城県の発達障害者支援センターでの仕事もしています。
そんなわけで、様々な年齢層の発達障害のある方々にお会いする機会があります。
中には深刻な二次障害という状態を引き起こしているケースも少なくありません。
こういったケースではほぼ100%、特に学校時代に、周りの子ども達や先生、親などに自分のことを良くわかってもらえないという失望感を味わい続けていて無力感にさいなまれていたり、自分は一生懸命やっているつもりなのに周りからは「ふざけている」「気持ちわるい」「へんなやつ」などといじめられ続けて自尊心を極端に低めてしまったり、といった経験をしています。
逆に言えば、このようなことが学校時代におこらなければ、発達障害があったとしても、自分の個性を最大限に生かして充実した人生を送ることができるということなのです。
 
この本は、特に学校時代の彼らをとりまく環境を少しでも改善できる手だてになれば、と子ども達自身で読んでもらえるように書きました。脳の働きの違い、ということは少し難しいことなのですが、それを抜かして説明することがむずかしいため、イラストをできるだけ多く使って説明しています。ですから、学校や家庭を初めとしていろんな場面で使っていただけることが理想です。
これによって一人でも多くの発達障害のある子達が幸せに暮らしていけるようになればとても嬉しいことです。
 
でも。
少しでも自分達と違うと思う仲間をいじめ抜き、排除しようとする傾向は、何も子どもの世界だけで見られるものではないですし、発達障害のある子に対してだけ行われていることではありませんよね。
現代に生きる大人たちのありようがそのまま子どもの社会に反映されているだけのように私には思えます。
モノにあふれ、便利さを追求し、快楽におぼれる現代人は、本当の心の安らぎを失っているように思えます。
人が人を無条件に愛するためには、まず自分自身を無条件に愛せなければなりません。
自分自身を愛するためには、安心して安定した生活を送っていること、これが一番大事です。
安心できる生活、それは地球上に生まれたことを感謝して、地球のリズム、太陽のリズムと共に生きることです。これが現代人からは失われたために、皆不安とストレスにさらされながら生きているんだと思います。
だから自分を愛せないし、人のことも愛せない。ちょっとした違いや弱さをみつけては攻撃する。
悲しいけれども今の時代はそういう時代です。
 
本文の最後にも書きましたが、まず、自分が安心できる生活を取り戻すこと、それによって「ひとりひとりが違っていて、それでいい」と本当に思える社会が取り戻せるのだと思います。
この本を手にとっていただき、ついでにそんなことを考えてくだされば、とてもありがたいなあ、と思っています。