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子育て科学アクシスブログ


思いは家族で共有したい

皆さんこんにちは。成田です。

 
アクシスは、基本的に18才以上の方の学びとご相談の場とさせて頂いているのですが、最近は、16才~18才の、自分の意思で「参加したい!」という方たちのご利用も徐々に増えています。 今日はそんな若い会員様のお話しを。

 
ある時、お母様の付き添いとして飛び込みで参加して下さったAさんは、学校にも社会にも、なかなか溶け込めずにほとんどの時間を家庭で過ごされている方です。

 
その日は、お母様がラウンジタイムを利用してスタッフにご相談をされている間、静かに絵を描いたりパズルをしたりして待っておられました。 ただ時間潰しをさせているようで申し訳ないな、と正直思っていたのですが、意外に1時間経ってお帰りになる時のAさんの顔が明るく晴れ晴れとしてたのが印象的でした。

 
そしてその後しばらくして……

 
またいらして下さったお母様から伺いました。「あのあと、Aが一人で求人広告を探して、アルバイトに申し込みをしたんです。そして、アルバイト代入ったら家にお金入れるから、と言っているんです。嬉しくて涙が出そうでした。」

 
思えばその時の相談の内容は、家庭の経済事情や夫婦関係についてが中心で、聞いていないようでいて、でもAさんは時折「そうだよね」とか「結構困ってるよね」などと発言する場面もありました。

もしかすると、それまでAさんは自分のことを「一番の家庭の問題、お荷物」でありお母様の苦悩の元凶である、と思い込んでいたのではないでしょうか?

たくさんのいわゆる不登校・引きこもりといわれる方たちの家庭と関わっていると、割合このような親子の思いのずれが見られます。

 
本当は、親が本当に苦悩している問題は別にあるのに、子どもの側では、自分一人が親を苦しめていると思い込むから、どんどん自分を追い詰めてしまう。

親は、余計な心配をかけたくないから、子どもには家庭内の問題をひたすら隠す……これがネガティブなサイクルになり、状況は悪化していく。

 
Aさんは親思いのとても優しい子です。

初めて知る親の苦悩に、でも、ある意味救われた気分にもなったのかも知れません。

「お母さんは、私のことじゃない、こんなことで悩んでたんだ。経済的な問題なら私にも手伝える!」

 
思いは、伝わらなければ意味がないのです。

問題を抱えた子どもだからと気づかって何も伝えないよりは、こうやって家庭内のすべてを伝える方が子どもの行動を変えるのには役に立つことが多い、と私は経験から信じています。

 
だからアクシスでは、子どものことより先に、まずは親御さんの抱える苦悩を全部出していただく、という方針で親御さんの支援をしているのです。

そして、これを子どもも巻き込んだ家族全員で共有することで、子どもは必ず変わります。

私たちスタッフが段階的な共有のお手伝いをさせて頂きますので、ぜひご相談下さいね!お待ちしています。

 
成田奈緒子