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子育て科学アクシスブログ


「メンドクサイ」が脳を育てる

皆さんこんにちは、成田です。

 
今週末は長崎で講演会でした。

無事、800人くらいのお客さんの前で90分の漫談(笑)を終えて来ました。

毎回、始まる前は若干の緊張もあるのですが、一旦講演会が始まると、なんだかとっても楽しくなってしまい、つい調子に乗って喋りすぎる成田です。

 
さらに今日は、なぜか開演前に「サイン下さい!!」とおっしゃる方が何人か楽屋にいらしてビックリ。もしかして知らない内に連帯保証人になっているなんてことはないだろうなあ…と若干不安にもなったりして。だって私のサイン、他になんの使い道があるんでしょう(^_^;)

 
まあそんなこんなで終了し、帰りの空港に向かうタクシーに乗って運転手さんとおしゃべりをしていました。今年還暦を迎えるというその方が言うには、近い将来タクシーはなくなるということです。「だってそうでしょお客さん。自動車が全部自動運転になったら、お客さんはステーションのような所に行って車に乗り込み、行き先ボタン押せばいいんですよ。勝手に連れてってくれる訳ですから…私たち運転手は全員失業やな、まあエエわその頃までには、私しゃとっくに定年ですわー(笑)」

 
それが現実になるなら、そもそも車の免許制度もいらないね。それでなくてさえ、最近の若い人たちは車に関心がないし、自家用車なんてのもなくなるのかねえ…、なんて話しは続いたわけですが、よくよく考えてみれば、実際、私が生きているこの短い(笑、突っ込まない!!)時間でも、交通機関は大きく変わりました。

電車で言えば、切符がほぼなくなり、自分の行き先まで電車代がいくらかかるのか知らずに乗ることも多くなりました。車掌さんに切符を渡してパンチを入れてもらったり、切符を細いスリットに差し込み、また取り出す面倒くさい動作はいりません。ICカードを財布に入れたままかざすだけ、です。電車の窓は基本的に開かなくなって、駅のホームで窓越しにおじさんと会話しながらお弁当を買うことは、もうないです。

自動車で言えば、運転中左手、左足を動かすことはなくなり、足元のペダルが一本減ってます。高速道路の出入りも現金を払うことなくスムーズに行えるわけで、さらに驚くことには、ドアを開けるのにもエンジンをスタートさせるのにもいちいち鍵を差し込んで回す、という細かい動作が不要!!

 
………急に、今日の講演会で私自身が熱弁をふるって来たこと、思いだしました。

「脳、特にお利口さんの脳をね、ちゃんと育てるためには生活で繰り返される刺激が大事なんですよ。特に言葉を使ってきちんと会話すること、手足をしっかり動かすこと、もちろん色んな事を考えることもね。」

 
自動運転のタクシーじゃ、こうして運転手さんと言葉を交わしたことをきっかけに、脳を使って色々考えるチャンスはないわけで。

あー、だからちゃんと育たないのね。そしてこれからもどんどん人間の脳はちゃんと育たなくなるわけね。妙に納得です。

 
せめてこの文章を読んで下さった皆さんだけでも、「メンドクサイ」をあえてやるくせをつけましょう。店員さんやうろうろして迷っていそうな人に声をかける。たまにはわざと切符で乗ってみる。コンビニではなく個人商店で買い物をする…

メンドクサイは脳育て、と考えればお得な気持ちになってきますよ♪

ちなみに私がよくやるメンドクサイことは、一人で入ったレストランでお店の人と話しをすることです。昨日の夕食も、そのお陰でとーっても美味しい「技能オリンピック金賞&銀賞受賞」のお料理を頂けました!!

 
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成田奈緒子