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子育て科学アクシスブログ


五感の鍛練、一人遊び

皆様こんにちは、成田です。

 
出身校が同じだし、最近「朝イチ」という番組に出させて頂いたし、と勝手に親近感持ってる有働由美子さんの「ウドウロク」という本を見つけ、面白く読ませて頂きました。

まあ実際には、もちろん年代は違うし、彼女は大学私は中高とかすっただけだし、朝イチはちょうど有働さんがお辞めになった直後に出させて頂いたので、これまたかすっただけなんですが(笑)、さすが関西人、ユーモアたっぷりで毒もある歯切れのよい文体がとても素敵なエッセイ集です。

 
その中に、「一人遊び」と称して、五感のうち、視覚や聴覚を意図的にブロックすると、例えばお刺身の味が格段に研ぎ澄まされて感じられる、という文章があり、とても共感しました。

 
私は朝お風呂に入るのですが、午前4時前、生活音がすべて闇の底に沈んだひとときにお湯に浸かっていると、窓の外でうごめく生き物たちの音が、まるで目の前にいるかのように臨場感に満ちて聞こえて来ます。

午前4時、まだ真っ暗ななかで最初に鳴き出すのが、1羽のホトトギス。「テッペンカケタカ、テッペンカケタカ、テッペテッペ」と済みきった声でさえずりながら木々を自由に飛び回っている気配が、見えてないはずなのに手に取るようにわかります。

 
しばらくして、空の色がほんの少し薄蒼くなると、ホトトギスの声は止み、代わってオナガのギーギー言う声が複数聞こえて来ます。うちの庭のジューンベリーが大好物で、赤く甘くなったそばから大群で押し寄せて食べていきます。声は可愛くないですが、きっと、長く美しい空色の尾羽をバサバサさせながら「美味しいね♪」って言いあってるんだな、と想像します。

 
さらに明るくなりかけた空に、ひときわ大きな声で雄叫びを上げるのが、キジ。ホントに、そんなに大声で「わしゃここじゃ!!」と叫んだら、そら、撃たれますがな…(苦笑)(ちなみにキジって、飛べるはずなのですが、声がするからと姿を見に近づくと、「な、何でここにいるとわかった?!」とでもいうように目を見開いて固まった後に、徒歩でじわりじわりあとじさりして逃げます。面白いです。)

 
そうして、やっと夜が明け、いつものようにおしゃべりな雀たちがさえずり始めます。ここ数年、うちの自動日除けテントの収納庫に巣を作ると決めてるらしいので、今年もものすごく賑やかです。(そして今年も、日除けテントは使えない…)

カラスの低音とハーモニーを作りながら、今日も陽気な朝が明けました。

 
これを、庭を眺めながら観察してると、視覚が邪魔をするようで、ここまで一羽一羽の区別ができるほどは聞こえません。聴覚を研ぎ澄ます朝のお風呂タイム、極上の一人遊びです。

 
成田奈緒子